最上川
最上川は日本三大急流として知られ、県中央部を北流し新庄地区で西方に流下し、庄内平野を貫通し日本海に注いでいます。
水質は良好でPH6.0内外を示し、かんがい期間における水温は18℃~26℃草薙頭首工からの取水量は12.8t/secです。
日向川
日向川はその源を秋田、山形両県境にそびえる鳥海山の東南斜面に発する女郎沢から南に流下し途中荒瀬川と合流、北西流して日本海に注いでいます。
大半は山岳の渓谷を流下するため勾配は急で1/50~1/500を示しています。水質は良好でPH6.2程度であるが、水源が高地であるため、水温が低くかんがい期間11℃~19℃、頭首工からの取水量は8.5t/secです。
荒瀬川
荒瀬川は飽海、最上の郡境に端を発し大俣川、白玉川となり北青沢にて荒瀬川となり、観音寺西方において日向川と合流しています。
水質は良くPH6.0内外を示し、かんがい期間の水温は16℃~23℃荒瀬川頭首工からの取水量は3.5t/sec、下井皿頭首工からの取水量は1.3t/secです。
最上川さみだれ大堰
この事業は草薙頭首工の下流、立谷沢川から流出する土砂で河床が高くなり年々取水量が減少し昭和59年、60年の干ばつ時は計画水量の30%の取水しか出来ず、最上川を仮締切することで対応するも、この様な事態が今後いつおきるか大変心配され関係土地改良区で協議、「最上川下流農業用水対策推進協議会」を設立し、国、県に対し事業の必要性を強力に働きかけてきました。その後、様々な経過を踏まえ、建設省が(国土交通省)平成元年度事業に着手、以来6年間の歳月と約130億円を投資し平成7年度に完成を迎えております。
最上川さみだれ大堰のしくみ
構造と操作
ラバーダムは膨らませない時には河床と同じ高さですが、そこにブロアで空気を送り込み、起立させる仕組みになっています。完全に起き上がった時の高さは2.7mにまでなります。
先端にあるフィンと呼ばれる山っ張りは、ゴム袋を越して流れる水の間に空気の層をつくり、ゴム袋本体の振動を防ぐ役割をしています。
効果
農業用水の安定、最上川の河床の安全、魚が群れ泳ぐ自然豊かな流れを実現することができました。
この事業は、沿岸事業の一環として建設されましたが、これにより上流にある「最上川取水口」「草薙頭首工」からの取水を確保し、下流のかんがい地域に安定的な用水の供給が可能となりました。
さみだれ大堰に感謝
近年の異常気象により、干ばつを繰返し特に6月以降は最上川の水位低下により、用水供給は困難を極めてまいりましたが「さみだれ大堰」の完成に伴い、用水の最も必要な時期に安定取水が出来大変感謝しています。